アートを選び飾る体験を贈るギフトカード―― ニューヨーク大学に留学中の菊田隆一郎さんが語る「体温」のあるプレゼントとは

アートを選び、飾る楽しみをもっと身近にするアートプラットフォーム〈conte〉がお届けする連載コラム「お部屋でアートを楽しむ人々」。今回はconteが販売を開始したアートギフトカードをご両親に贈った菊田隆一郎さんに、アート作品をプレゼントすることの良さなどについてお話を伺いました。昨年3月に高校を卒業、デザイン会社などでインターンを経験後、2022年1月からニューヨーク大学に留学し教育について勉強している菊田隆一郎さん。プレゼントに大切なのは「体温」だと語ってくれました。 

アートを贈り物にしたいと思ったきっかけ

― まずは菊田さんのアート体験を教えてください。

菊田隆一郎さん(以下、菊田):地元が横浜なので、横浜美術館によく行っていました。これまでいろんな作家の展示を見ましたが、一番印象に残っている大好きな作家は奈良美智さんです。その時に初めて自分のお小遣いで、奈良さんの企画展の図録を購入しました(笑)。ニューヨークでも奈良さんが描いたキャラクターのキーホルダーをバッグに付けて、お守りがわりにしています。

― ニューヨークには様々なアートが溢れていますね。

菊田:そうなんです。先日ブルックリン美術館にはじめて行ってきて、アーティストのみなさんの想いが表現された素晴らしい作品を目の当たりにしました。しかも19歳以下は無料なんです。これからもいろんな美術館に行ってみようと思います。

― 今回、 conteのアートギフトを使ってみたいと思ったきっかけを教えてください。

菊田:留学するにあたって、両親に感謝の想いを込めてプレゼントを渡したいと考えていました。ちょうどその時、conteでアートギフトのトライアルがあると知りました。「アート作品を贈る」と聞いて、直感で素敵だなと思ったんです。いつもプレゼントを選ぶとき、お店で物を買って渡したり、食事をご馳走するなど、選択肢はたくさんあるのですが、その中でも贈り手の温かみを感じるプレゼントって少ないなと思っていました。conteのアート作品はきっと、アーティストの皆さんが「想い」を持って作られている。そこに、アート作品をプレゼントしたいという贈り手としての想いを込めることで、受け取った相手は、いろんな人の「想い」が重なって生まれた体温のようなものを感じてもらえるんじゃないかと思いました。

― 確かにアート作品は作り手の体温をストレートに感じます。

菊田:留学で日本を離れるにあたり、僕の大切な親友にも、感謝の「想い」を込めてなにかプレゼントをしたいと思ったんです。それが手作りの〈名刺〉でした。

― 〈名刺〉ですか。珍しいプレゼントですね。

菊田:その親友は大学に入学したばかりだったので、これから新しい友達と出会う機会がたくさんあるだろうなと想像しました。そこで思いついたのが〈名刺〉でした。親友の人となりを表現した名刺を、初対面の人に渡してもらうことで、名刺を受け取った相手が親友の素敵なところを知ってもらうきっかけをつくれればいいなと思ったんです。紙選びからフォントや色などのデザインなど、親友のことを想って手作りした〈名刺〉をプレゼントしました。

― まさに体温を感じるプレゼントですね。そういう意味では今回のアートギフトは、菊田さん自身の主体的な関りが薄くなってしまった気がするんですが、実際はいかがでしたか?

菊田:今回、僕がプレゼントしたギフトカードを使って、両親がどの作品を購入するか迷う場面に立ち会えたことがすごく新鮮でした。ただギフトカードを渡すだけでなく、ギフトカードでどのアートを購入するか、カードを贈った僕と受け取った両親が一緒に考える。その体験も含めて、両親に温かみのあるプレゼントを贈ることができたと思います。

― conteのギフトカードを贈る人も、受け取った相手がどんなアート作品を選ぶのか気になりますよね。

菊田:そうですね。作品を一緒に選ばなくても、あとでどの作品を選んだのか、選んだ作品を飾ってみてどうだったのか、プレゼントを贈った後に会話をすることができます。conteのアートギフトは、この会話も含めてプレゼントできます。贈り手はギフトカードを渡し、どの作品を飾るかは受け手が選ぶことができる、conteのアートギフトだからこそプレゼントできる体験なのだと思います。

プレゼントを贈られたご両親にお話をお聞きしました

― conteの中からお気に入りの作品を見つけるまでの過程はどうでしたか?

菊田さんのご両親:これまで、こんなに沢山の中から絵を選んだことはなかったので、とても贅沢な体験でした。また、いつもはお値段を気にしながらの買い物になってしまうのですが、こちらは均一の料金設定なので、単純にデザインだけの比較で選ぶことができて楽しかったです。

― どんな作品に興味を持たれましたか?

菊田さんのご両親:シンプルで色数の少ないものに目を引かれながら、自分の直感と感性にまかせて網羅的に作品を探していたら、「いいな」と思う作品がだいたいJACKYさんのものでした。

― この作品を選んだ理由はなんでしょうか?

菊田さんのご両親:まずモチーフになっている犬が可愛いかったこと、そして配色のバランスが良かったことが決め手となりました。たくさんの作品が並んでいる中でも、この作品がすぐに目にとまりました。せっかくの機会なので楽しみながら時間をかけて全ての作品を何度も見返しましたが、最終的には、最初に琴線にふれたこちらの作品に決めました。額に入って届いた作品は、想像以上に心が躍りました。

アートという温かな贈りもの

― 菊田さんはご両親が選んだ作品を見てどんな感想を持ちましたか?

菊田:最終的に2作品に絞られたんですが、そこで「この作品がいいんじゃない」と初めて僕から意見を言ったんです。それがJACKYさんの犬の絵でした。

動物や植物、身の回りにあるものをテーマに、シンプルでポップな作品を描くJACKY。
緩やかな曲線とやわらかな質感で表現された、キュートなモチーフが特徴。
インテリアに合わせやすく、アクセントとしてもパッと目をひく作品。

JACKYの作品一覧

― そうだったんですね。

菊田:というのも、JACKYさんの犬の絵を見たときに、ある大切な親友との想い出が蘇ってきたんです。実は小学生の頃に、地元の公立小学校に馴染めず不登校だった時期があります。転校して、学校には行けるようになったんですが、友達も少なく、休み時間は一人でいることも多かったんです。ある日、教室の隅でひとり魚の絵を描いていたら、同級生の女の子が、「いい絵だね」と声をかけてくれました。あきらかに不細工な魚の絵だったんですが(笑)。でもそれが、自分で表現したものを親以外の誰かにちゃんと褒めてもらえた初めての瞬間だったんです。とても嬉しかったし、僕の一生の想い出です。

― なるほど。それでJACKYさんの絵を選んだんですね。そんな想いもまた、選んだ作品に新しい体温を加えたプレゼントになっているのかもしれませんね。 

菊田:そうかもしれません。やっぱり「体温」って大切にしたいなと思います。例えばカフェに行った時にカップに“Have A Nice Day”と書かれているような些細なことでも、すごく嬉しいし、そういうものをエネルギーにして生きられたら素晴らしいなと思うんです。だから、アート作品のように「体温」のあるプレゼントを贈る手段として、ギフトカードがあるというのはとても素晴らしいことだと思うし、こういったことが広がっていくことで、人々の体温が循環する、温かみのある社会になれば本当に素敵だなと思います。自分自身、どうしたらそういう社会が実現出来るか考えながら、大学で勉強したいです。

いかがでしたか。アート作品をプレゼントするって、これまで敷居が高いと思っていた人もいたことでしょう。でも、実はとても温かみを感じるプレゼントになるんだと気づかされました。プレゼントを贈りたい人をイメージして花を選ぶように作品を選んでみたり、アートギフトを贈った相手がどんな作品を選ぶのか想像するのも楽しそうです。conteには皆さんの想いに寄り添ってくれる作品がたくさんあるはずです。ぜひ「体温」を感じるとっておきの作品を見つけてみてください。

この記事で紹介されたギフト

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